心臓画像診断とは
画像診断とは体の内部を撮影して異常がないかどうか診断する医療技術のことです。体に傷をつけたりすることがなく、ほとんど苦痛を伴わないため、ガンなどの腫瘍や、血管の閉塞、動脈瘤などの早期発見に有効です。なかでもCTやMRIを使った検査は、現在の医療現場で欠かせない重要な診断方法となっています。
特に近年の医療の進歩は、常に拍動しているため画像化が難しかった心臓を、立体的(3D)に動画で再現することができるようになり、高度な心臓画像診断と呼ばれています。
CTとMRIはどこが違うの?
心臓MRIは全くの無症状であっても冠動脈病変の存在の有無を高確率で提供してくれることが最大の特徴です。心臓の動きや、血液の流れの情報も得ることができます。
心臓CTは既知の冠動脈病変の診断に有用な一定レベル以上の高画質な詳細情報を高確率で提供してくれるのが特徴です。心臓CTは非常に簡便でさまざまな医療機関で実施されている有用な検査方法ですが、きれいな画像を撮るにはさまざまな創意工夫が必要です。また、エックス線被ばく、造影剤による身体へのリスクなどの問題があり、ちょっと不安だからという理由で検査を実施したい場合や、初期の兆候のはっきりしない段階での心臓CT検査は得られる情報よりもリスクの方が大きく、おすすめできません。
一方、心臓MRIは、撮影や解析技術が大変難しいため、残念ながら、どこの医療施設でも実施できるというものではありません。日々の診療の中で、さまざま経験を積み重ねている、しっかりとした技術を持つ医療施設を選ぶことが大切です。
CTとMRIにはそれぞれの特徴からメリットとデメリットが存在します。症状や病気の状態によっては両方を組み合わせることで高度な診断を実施することがあります。